1973年、団地ブーム最盛期に建てられた築54年になる団地の1室。
頑強に作られた構造は、間取り変更の自由度は低く、ほとんどの壁面を変えずに行わなければならないリノベーションとなりました。

時代の変化は、暮らし方にイノベーションをもたらしています。
そこに暮らす家族の生活スタイルを想像しながら設計しました。

キッチンと引き戸で仕切られた6畳の和室。
こちらは仕切りを無くして、約11畳のLDKに仕上げています。
しかしながらただのLDKではなく、生活感が出がちな冷蔵庫を隠し、
空間の雰囲気を乱さない統一感のあるキッチンを選びました。

リビングの隣に配置された洋室(元和室)は、元々ある収納にはクロゼットとデスクとしての2つの機能を設計し、住まわれる方が選んで使える仕様になっています。

元々の間取りで、どうしても気になっていた、入ってすぐの洗濯機と洗面台が見える空間。 こちらはお風呂の前に当たるため、脱衣所としても使われていたようでした。寒々しい風景が想像できました。ここにはあえて玄関収納と間仕切りを設置し、独立した空間に仕上げました。
来客時、すぐに目に入る生活感を隠し、すっきりとした印象に仕上げています。

タイル貼りの、いわゆる在来工法で作られたお風呂は、使用感も出て、清潔感にかける印象でした。
バランス窯も使われており、ユニットバスへのリフォームが難しいため、パネル工法でのリフォームとなりました。
パネル工法は、見た目と機能はユニットバスのものとも遜色なく、それでいてリーズナブルなリフォームの手法です。